中央復建コンサルタンツ、NTTドコモ、京浜急行電鉄、横須賀市からなる4者が2021年の3月に
5Gと深層学習（高速AIディープラーニング）を活用して、遠隔で鉄道インフラ状況をリアルタイムで自動監視する実証試験に成功したと発表しました。

試験内容は、「通常時における車両監視」と「災害時を想定した線路点検」等を対象としたもので
京急電鉄の久里浜工場で2020年12月21日から2021年2月12日まで行いました。
また、現場で撮影した映像を5G通信で送信し、網内クラウド環境の深層学習で映像を解析し、その結果をリアルタイムで配信しました。

高画質映像をAIが解析し、データ送信にかかる時間は1秒前後！？

車両監視試験では、床下の機器を固定カメラとサーマルカメラ等で撮影し、
台車の疑似的な亀裂、ブレーキパッドの摩耗状況、機器収容箱ハンドルの開き具合、車軸温度の上昇等を検出しました。
結果として、AIの解析により1mmの擬似的な亀裂を検出し、ハンドルやブレーキパッド、車軸温度なども、試行毎に異常を見逃さずに検出することができたそうです。
映像の取得からPCへ配信するまでの時間は、なんと0.94秒という速さでだったそうです。

線路点検では、ドローンに搭載した高画質カメラで線路を撮影。

走行の障害となる飛来物などを想定し、大きさや形状等が異なる障害物の検知を行いました。
ドローンとの通信はWi-Fiだけではなく、5Gでも直接通信できる構成としたとの事です。

映像を5Gで送信し、網内クラウド環境でAIが解析したデータをPCへ配信するまでの時間は1.26～1.33秒でした。
更に、AIの解析では大きさ10cm角の木片から約170cmの人物等、障害物と想定した異常を見逃さずに検知に成功しました。

ドローンを活用した線路点検では、Wi-Fi区間を実験局に置き換えた検証も行ったそうです。
その結果、ドローンと基地局間で実験局の5Gを利用すると、現状では設備や電波干渉調整などで課題があることも分かりました。
中央復建コンサルタンツとNTTドコモは今後、5Gと深層学習等を活用したシステムの本格運用を検討して行くとの事です。
鉄道事業は京急電鉄と、他の社会インフラは横須賀市と、それぞれ連携し、課題解決に取り組む予定との事です。

クラウド技術と通信技術の進化により更に様々な技術が進化していきますね。